前回の記事では,『生徒が担任教師の話を聴くこと』ができるようになるということが,
生徒主体型学級にしていくための「ステップ1」であるということについて述べました。
学級を生徒主体型学級にしていくためには,さらにレベルを上げて,
『生徒が生徒の話を聴く』というステージに学級をもっていく必要があります。
リーダーや係の生徒が何かを学級で話そうとしたとき…
周囲の生徒たちが『自動的(自主的)』に静かになり,話を聴こうとする。
そんな学級にするためにはどのような手法があるでしょうか?
どのようにして生徒の『聴く態度』を育てたらよいでしょうか?
私は,学級で次の3つの手法を取っています。
A サイコロトークの活用
B 様々な場面で生徒に話をさせる。(教師はできるだけ話さない。)
C グループエンカウンターやソーシャルスキルトレーニングの活用
今回は,Aの『サイコロトークの活用』によって,『聴く態度』を育てる手法について述べます。
『サイコロトーク』のような飛び道具的なとりくみによって『聴く態度』を育てるのには理由があります。
それは,生徒のアウター・ルールをインナー・ルールに変えていきたいのです。
つまり,生徒が『先生に聴かされている』と思うのではなく,(アウター・ルール)
生徒に『ちゃんと聴きたい』と思わせたい。(インナー・ルール)
生徒が『自主的に聴くことができる学級』の下地となるのが,この『サイコロトーク』なのです。
ぜひ,毎日の帰りの会に取り入れてみて下さい!
(前回の記事では,ほめることでアウター・ルールをインナー・ルールに変えていくという話をしました。)
【ステップ②】~生徒の話を生徒が聴く~
サイコロトークのやりかたは,次の通りです。
1 学活の時間などを活用して『サイコロトークのお題』を生徒に決めさせる。
2 帰りの会で生徒がサイコロをふる。
3 次の日の帰りの会で,生徒がお題に沿った話をする。
イメージとしては,『ライオンのごきげんよう』というテレビ番組のサイコロトークを,
サイコロをふった次の日にやる…といった感じです。
ここで大切なのは,生徒の『聴く態度』です。
生徒が前で話しているときに,他の生徒には話をきちんと聞かせなければ,
サイコロトークの効果も面白さも半減してしまいます。
例えば,担任は次ように言います。
担任
『今日からサイコロトークが始まります。楽しみですね。サイコロトークで1つだけお願いがあります。
それは,ちゃんとクラスメイトの話を聴くこと。…これは絶対に守ってほしい。
私が君たちに話をしているとき…今もそうですが,君たちはこちらを向いてちゃんと聴いてくれています。
だから,私はとっても話しやすいし嬉しい。
サイコロトークで話をする人にとっても同じじゃない?
友だちがちゃんと聴いてくれると話しやすいし,嬉しい。これ,大切にしてほしいんです。
もちろん,話がおもしろかったら笑ってもいい。でも,その後,また切り替えて聴く。
「聴くこと」がサイコロトークを楽しくやるポイントだよね。』
初めてのサイコロトークでは,このような話をしてからサイコロトークを始めます。
サイコロトーク中に聴く態度が悪い生徒がいれば,サイコロトークを中断して注意をして下さい。
担任
『ゴメン。話を中断してゴメンね。あのさ,今,〇〇さんが,前で一生懸命に話をしている。
その話を聴きたい人もたくさんいる。…そやろ?
なのに私語をして邪魔する人がいる。何で邪魔すんの?
私の話は静かに聴けるのに,クラスメイトの話は聴けない。そんなのナシじゃない?』
担任
『ちょっと待って。中断してゴメン。
今,〇〇さんが,前で君たちに話をしている。それなのに,何で下を向いている人がいるの?残念だなぁ。
顔を上げてちゃんと話を聴こうよ。
私はね,話をするときに,君たちがみんな私の方を向いてくれているから,「あぁ,聴いてくれているんだな」
って感じる。聴いてくれているから安心する。先生でもクラスメイトでも同じじゃない?
ちゃんと顔を上げて聴こうよ。そこは,やっぱ,思いやりの心なんじゃなかな。私はそう思います。』
あくまで上の教師の話は例ですが,最初はこのようにして,
担任からのアウター・ルールによって,『聴く』ことを生徒に強要します。
もちろん,強要と言っても,できるだけ生徒が納得できる言葉でルールを伝えたいものです。
(私はそこがまだまだヘタクソですが…汗 )
サイコロトークでは,必ず面白い話をする生徒がいます。
これがサイコロトークの良いところです。
生徒たちは身を乗り出してその話を聴きます。
いつのまにか,『聴かされている』というアウター・ルールが,
『聴きたい』というインナールールに変わっていく瞬間があります。
担任
『今の話めっちゃ面白かったね。やっぱ〇〇君は話すのが上手いよね。私も見習いたいです。
みんなの聴き方もよかったよね。みんな顔を上げて聴いてたし,爆笑してもその後またちゃんと聴いていた。
〇〇君,みんながちゃんと話を聴いてくれたけど,みんなが話を聴いてくれてどうやった?』
〇〇君
『ちゃんと聴いてくれたから話しやすかったです。』
こんな感じで,生徒に『聴いてくれたから話しやすかった。』と言わせることも1つのポイントかもしれません。
このようにしてサイコロトークを帰りの会で毎日続けていくことで,『聴く態度』が育ってきます。
少しずつ『生徒が生徒の話を聴く』という学級風土が生まれてきます。
話が上手くない生徒がサイコロトークで話をしていても,しっかりと聴くことができるようになります。
こうなれば,『生徒主体型学級』の土台は完成したと言っても過言ではないと思います。
この『聴く態度』という土台をもとに,リーダーの育成や係の生徒を活用して,
『生徒主体型学級』をつくっていきます。
聴く態度を育成していく上で,担任が
『ちゃんと聴け!』
『静かにしろ!』
などと怒鳴って生徒を従えるやり方は,私は自主性を育んでいくためには,効果的でないと考えます。
(もちろん,私も学級で怒鳴ることはありますが。)
生徒の自主的を育む意味でも,サイコロトークやグループエンカウンターなど,
生徒に楽しませながら『聴く態度』を育てていくことは重要ではないかと思います。
ぜひ,サイコロトークを帰りの会に取り入れてみてはどうでしょうか。
予想以上の効果が見られると思います。
次回は,サイコロトークの『聴く態度』の育成以外の大きな効果や,
配慮すべき点などについて書いていきたいと思います。
生徒主体型学級にしていくための「ステップ1」であるということについて述べました。
学級を生徒主体型学級にしていくためには,さらにレベルを上げて,
『生徒が生徒の話を聴く』というステージに学級をもっていく必要があります。
リーダーや係の生徒が何かを学級で話そうとしたとき…
周囲の生徒たちが『自動的(自主的)』に静かになり,話を聴こうとする。
そんな学級にするためにはどのような手法があるでしょうか?
どのようにして生徒の『聴く態度』を育てたらよいでしょうか?
私は,学級で次の3つの手法を取っています。
A サイコロトークの活用
B 様々な場面で生徒に話をさせる。(教師はできるだけ話さない。)
C グループエンカウンターやソーシャルスキルトレーニングの活用
今回は,Aの『サイコロトークの活用』によって,『聴く態度』を育てる手法について述べます。
『サイコロトーク』のような飛び道具的なとりくみによって『聴く態度』を育てるのには理由があります。
それは,生徒のアウター・ルールをインナー・ルールに変えていきたいのです。
つまり,生徒が『先生に聴かされている』と思うのではなく,(アウター・ルール)
生徒に『ちゃんと聴きたい』と思わせたい。(インナー・ルール)
生徒が『自主的に聴くことができる学級』の下地となるのが,この『サイコロトーク』なのです。
ぜひ,毎日の帰りの会に取り入れてみて下さい!
(前回の記事では,ほめることでアウター・ルールをインナー・ルールに変えていくという話をしました。)
【ステップ②】~生徒の話を生徒が聴く~
サイコロトークのやりかたは,次の通りです。
1 学活の時間などを活用して『サイコロトークのお題』を生徒に決めさせる。
2 帰りの会で生徒がサイコロをふる。
3 次の日の帰りの会で,生徒がお題に沿った話をする。
イメージとしては,『ライオンのごきげんよう』というテレビ番組のサイコロトークを,
サイコロをふった次の日にやる…といった感じです。
ここで大切なのは,生徒の『聴く態度』です。
生徒が前で話しているときに,他の生徒には話をきちんと聞かせなければ,
サイコロトークの効果も面白さも半減してしまいます。
例えば,担任は次ように言います。
担任
『今日からサイコロトークが始まります。楽しみですね。サイコロトークで1つだけお願いがあります。
それは,ちゃんとクラスメイトの話を聴くこと。…これは絶対に守ってほしい。
私が君たちに話をしているとき…今もそうですが,君たちはこちらを向いてちゃんと聴いてくれています。
だから,私はとっても話しやすいし嬉しい。
サイコロトークで話をする人にとっても同じじゃない?
友だちがちゃんと聴いてくれると話しやすいし,嬉しい。これ,大切にしてほしいんです。
もちろん,話がおもしろかったら笑ってもいい。でも,その後,また切り替えて聴く。
「聴くこと」がサイコロトークを楽しくやるポイントだよね。』
初めてのサイコロトークでは,このような話をしてからサイコロトークを始めます。
サイコロトーク中に聴く態度が悪い生徒がいれば,サイコロトークを中断して注意をして下さい。
担任
『ゴメン。話を中断してゴメンね。あのさ,今,〇〇さんが,前で一生懸命に話をしている。
その話を聴きたい人もたくさんいる。…そやろ?
なのに私語をして邪魔する人がいる。何で邪魔すんの?
私の話は静かに聴けるのに,クラスメイトの話は聴けない。そんなのナシじゃない?』
担任
『ちょっと待って。中断してゴメン。
今,〇〇さんが,前で君たちに話をしている。それなのに,何で下を向いている人がいるの?残念だなぁ。
顔を上げてちゃんと話を聴こうよ。
私はね,話をするときに,君たちがみんな私の方を向いてくれているから,「あぁ,聴いてくれているんだな」
って感じる。聴いてくれているから安心する。先生でもクラスメイトでも同じじゃない?
ちゃんと顔を上げて聴こうよ。そこは,やっぱ,思いやりの心なんじゃなかな。私はそう思います。』
あくまで上の教師の話は例ですが,最初はこのようにして,
担任からのアウター・ルールによって,『聴く』ことを生徒に強要します。
もちろん,強要と言っても,できるだけ生徒が納得できる言葉でルールを伝えたいものです。
(私はそこがまだまだヘタクソですが…汗 )
サイコロトークでは,必ず面白い話をする生徒がいます。
これがサイコロトークの良いところです。
生徒たちは身を乗り出してその話を聴きます。
いつのまにか,『聴かされている』というアウター・ルールが,
『聴きたい』というインナールールに変わっていく瞬間があります。
担任
『今の話めっちゃ面白かったね。やっぱ〇〇君は話すのが上手いよね。私も見習いたいです。
みんなの聴き方もよかったよね。みんな顔を上げて聴いてたし,爆笑してもその後またちゃんと聴いていた。
〇〇君,みんながちゃんと話を聴いてくれたけど,みんなが話を聴いてくれてどうやった?』
〇〇君
『ちゃんと聴いてくれたから話しやすかったです。』
こんな感じで,生徒に『聴いてくれたから話しやすかった。』と言わせることも1つのポイントかもしれません。
このようにしてサイコロトークを帰りの会で毎日続けていくことで,『聴く態度』が育ってきます。
少しずつ『生徒が生徒の話を聴く』という学級風土が生まれてきます。
話が上手くない生徒がサイコロトークで話をしていても,しっかりと聴くことができるようになります。
こうなれば,『生徒主体型学級』の土台は完成したと言っても過言ではないと思います。
この『聴く態度』という土台をもとに,リーダーの育成や係の生徒を活用して,
『生徒主体型学級』をつくっていきます。
聴く態度を育成していく上で,担任が
『ちゃんと聴け!』
『静かにしろ!』
などと怒鳴って生徒を従えるやり方は,私は自主性を育んでいくためには,効果的でないと考えます。
(もちろん,私も学級で怒鳴ることはありますが。)
生徒の自主的を育む意味でも,サイコロトークやグループエンカウンターなど,
生徒に楽しませながら『聴く態度』を育てていくことは重要ではないかと思います。
ぜひ,サイコロトークを帰りの会に取り入れてみてはどうでしょうか。
予想以上の効果が見られると思います。
次回は,サイコロトークの『聴く態度』の育成以外の大きな効果や,
配慮すべき点などについて書いていきたいと思います。
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