中学校の学級のようすを見てみると,だいたい次の3パターンの学級があると思います。
A 生徒が自主的にテキパキ動く学級
B 担任が毎回指示を出して生徒がきちんと動く学級
C 担任の指示もリーダーの指示も通らない学級
とりあえず C の学級はおいておいて, B の学級についてはどのように感じるでしょうか?
B の学級のように担任の指示で生徒がきちんと動いていると
『おお,〇〇先生は指導力があるな!学級の生徒も育っている!』
思われ,その学級は良いクラスという評価を同僚から受けます。
しかし, B の学級の生徒たちは,本当に成長しているのでしょうか?
『自分の頭で考えて行動する』や『リーダーシップを発揮する』
といった機会を奪われてはいないでしょうか?
B のように,担任の指示によって動く学級を私は『担任支配型学級』と呼んでいます。
私は,担任支配型学級は時代遅れだと思っています。
『最近は指示待ち人間が多い』
とよく言われますが,指示待ち人間も担任支配型学級が生み出した負の副産物と言えるでしょう。
『指示待ち人間』を生まないためにも・・・
逆に言えば,生徒たちを『自分のアタマで考えて,状況を読み,行動できる人』にするためにも,
担任の先生は,生徒たち全員が自主的・主体的に動くことができるような学級風土を
つくっていかなければならないと思います。
A のように,生徒が主体的に動くことのできる学級を,私は『生徒主体型学級』と呼び,
この生徒主体型学級をめざして学級経営を行っています。
では,自分の学級を生徒主体型学級にしていくためには,どのようにすればよいのでしょうか?
生徒主体型学級の根幹といえば,ずばり『聴く態度の育成』です。
これが全ての基礎となります。
例えば,生徒主体型学級では,
① 生徒が指示を出せば,それを他の生徒が『聴いて』行動に移します。
② 生徒が提案をすれば,それを他の生徒が『聴いて』意見を出します。
学級の生徒全員の『聴く態度』が育っているからこそ,生徒主体型学級は成り立つのです。
逆に,生徒の『聴く態度』が育っていなければ,生徒の指示も提案も通らないのです。
自分自身の学級のようすを振り返ってみましょう。生徒たちの『聴く態度』は育っているでしょうか?
① リーダーが話をしようとしたときに,担任が『静かにしなさい。聴きましょう。』と言わなくても
生徒たちが自主的に静かになりますか?
② 帰りの会で,〇〇係の生徒が連絡事項を話しているときに,生徒たちはそちらに顔を向けて
聴いていますか?
①も②も『YES!』だった先生の学級は,生徒たちの『聴く態度』が育っている学級であると言えると思います。
①も②も『NO…』だった先生の学級は,生徒たちの『聴く態度』はあまり育っていないと言えそうです。
『聴く態度』が育っていなければ,残念ながら生徒主体型学級にはなりません。
学級を生徒主体型学級にしていくために,ぜひ『聴く態度』の育成に力を入れてみてはどうでしょうか。
次回は,学級の生徒たちの『聴く態度』を育てる具体的な手法を紹介していきたいと思います。
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